映画「サマー・オブ・ソウル」から脱線 足腰でリズムをとる

試写では足りず、
「サマー・オブ・ソウル」、映画館で改めて見てきました。



素晴らしい。
DVD出るかな。そしたら買いたいな。

映画館で、腰と足がムズムズしました。
どうしても、動き出しそうになる。
私は腰と足でリズムをとります。
この映画を見ているとそれがごく自然なことに思えますが、
それで、学生時代に苦い思いをしました。

ソルフェージュという授業がありました。
音楽の譜読み、聴音、リズム、歌など、基礎を訓練する科目です。
私はリズム課題が好きで、得意でした。
(拍子をとりながら、たんたた、った、たたた、みたいに、
擬音を発して譜面に書かれたリズムを言うのです。)
ある日、先生にさされた私は、言われたリズム課題をその場で割と完璧にやってのけました。
イェーイ。
と思っていたら、先生から一言。
「矢部さん、拍子は足ではなく、手でとってください」
はい・・・? 
先生を見ると、こんなふうに、と手で指揮をして見せます。
それまで私は、足のつま先や踵で、拍子をとっていたのです。
リズム課題、やり直し。
今度は足を止め、手で指揮しながら、たたたーっとリズムを言おうとするが、
足と手が同時に動き始めたり、
手が止まったり、
足がどうしても動くのを止められなかったり
体がバラバラになってもう訳わかりません。
簡単なところも、全然できません。
悔しくて、多分先生を睨んでいたと思います。

でも今になって、確かにクラシック音楽は指揮だもんなぁとは思います。
丹田に力を込め、下半身はどしっと構えて、上半身でリズムをとるイメージ。ありますよね。
なんでだろう。下半身をあまりに動かすのは品がないのかしら。
まぁオルガンともなれば足を動かしまくるけどそれはまた別の話として、、。

私が初めて拍子を、意識的に足でとったのは、
ニューヨークの幼稚園だと思います。
クラスにはいろんな人種の子達がいて、しっかり名前を覚えられるようにと
年度始めに、先生の呼びかけでみんなで丸くなって、ぐるぐる歩きながら、
一人ずつ名前を言っていったのです。
ハナエなら、
/っは/なーえ/ (足ズン、ズン)
私の名前、最初は小休符が入るんですね。
アメリカンな発音、イントネーション、リズムですね。
他には
/クリスタル/ッ (足ズン、ズン)
/ッナ/ディーン/ (足ズン、ズン)
/アーシュ/リー/ (足ズン、ズン)
みたいな。

これを繋げていくと、面白いリズムの音楽ができていくんですね。
わー、このクラスだけのリズムだーと、
割と楽しくみんなの名前を覚えられるんです。

だからとにかく足を使えばどんなリズムにだって乗れる、と昔から私は思ってました。
それが大学でバッテン、となった時は、そこそこショック受けました。
(だから音楽のジャンルの問題なんだ、というのはわかっているのですが)

人生で一番かっこいいと感じたリズムは、やっぱり足と腰でリズムをとっているものでした。
高校生の頃、関口知宏さんが旅をする番組を見ていたら、
ジンバブエの村の人々が、歓迎のダンスを、なんとも言えないリズムで踊っていました。
足をスタンプさせながら、腰を腰をくい、くい、と動かして。
めちゃくちゃかっこいい。けど、何拍子なのかわからない。
当時、大学受験のために、13拍子とか7拍子とか、練習していたので、
もちろんその可能性とか、色々探りましたが、
わからないうちにダンスは終わってしまいました。
拍子かわからない、初めての体験でした。
あの映像、打楽器奏者とか作曲家とかが見たら、わかるのかな。
口説き方がわからない美女に出会った男子とはこんな感覚なのかな。違うか。

リズムの習得って、どういう体のメカニズムになってるんだろう。
大学で音楽を学んでも、わからず仕舞いでした。とほほ。

ちなみに一緒にこの映画を見た母は
「周りの大人に囲まれながら夢中で踊るピンクワンピの女の子よかったな。あんたの子供の頃を思い出したよ」
と言いました。
予告にも出てくる女の子です。
わたし、ニューヨークの幼稚園の卒園式で、
音楽に合わせて踊る時、
好きに、自由に、踊りまくっていたようです。
恥ずかしがって動けず、ぼうっとする子供もいる中、
っへーい!はっは〜やっほ〜い、と踊る私。
保護者席の黒人女性が、
"look at that white girl! she can dance!"
と指さしたそうな。
この話、母にしてもらうの、好きなんです。
人生の中の、結構なハイライトだぜ、と思います。
今の私には、そんなことできる自信、ありません。
家で一人でいる時はしばしば踊りますが。それを人前でやるだなんてそんな。

でも「サマー・オブ・ソウル」を観ながらなら、そんな恥じらいもなくなるかも。
好きにリズムを取って、
好きに踊りながら
この映画を見たいものです。
私なら足と腰でリズムを取って。
他の人ならどんな風に、どこでリズムを感じるのだろう。それも見たい。

映画館で、残念ながら今はそれができませんけどね。
つまんないったらない。
でも公開されているうちに映画館で、ぜひ。

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矢部華恵

Author:矢部華恵
 
機を織るようにつなげていきたい
日々のこと、本のこと、
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