2月のおすすめ映画


絶対、見た方がいい作品。

原案は佐木隆三さんの『身分帳』。

刑務所を出た男が、どうやって社会で生きていくのか。
男が我慢をして苦しむ部分、理不尽さ、社会の陰険さ、
それは
多くの人が折り合いをつけていく日常なんだけど
観ながら、それに対して、「嫌」という感情を、自分は蓋していなかったかなと。
目すら背けていなかったかな、と。
そんなことを思うと、
男の暴力は絶対にダメなものなのに、
きっかけとなる悔しさ、怒り、衝動には、どうしようもなく美しいものもありました。

見終えて、映画館(試写室)を出たくありませんでした。
外の、一般社会に戻りたくない、
いろんな人の悪意のない無神経に触れたくないし、生き抜くためのずぶとさを被って帰りたくない、
ずるむけになったこのままの状態で、まだこの椅子に座っていたい、と思いました。
映画を観ていて、帰りたくない、って、我ながら書いていて、不思議な感想です。。




日本では始まったばかりの、
受刑者たちが言葉を発して、みんなでいろんなことを考えたり、課題に取り組んだりする、「TC」。
そんな、みんなで丸くなって話したくらいで心なんか開くもんかい、なんて最初は思っていましたが、
その疑念は、映像によって払拭されました。
こういう時、映像の力ってすごい、って思わされます。
ていうか、ここまでカメラ入れたのか、すごいな、という驚きもありました。

この「TC」。
私も受けたい。
受刑者じゃないから無理だけど・・・。
一般社会にも必要なんじゃないか、と感じます。
例えば相変わらずずっと社会から消えないし、周りで見聞きする、「パワハラ」。
こういうトラブル、ほとんどの人が、どの立場であっても被害者意識を抱いているように思うのです。
加害の自覚を持つ、それに気づいたり反省する以前に、自分の抱える苦しさもあふれそうになっている…。
TCって、あらゆる人に、いかせないのかな…。
そんなことを思う一方で、
この、私語がなかなか許されない刑務所/更生施設という環境下だからこそ、
TCになると、みんな話せる、他の人の話も聞ける、という状況下だからこそ、
言葉を丁寧に選び、考えられるのかな、とも感じたりもします。
実は来週、監督の坂上香さんが渋谷のラジオに来てくださることになりました。
そこで彼女に聞いてみようかな、どう思うのか…。

茂木健一郎さんも、プリズンサークルのことをyoutube内で話してます。
よろしければ。



  • 2021年02月08日
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華恵

Author:華恵
 
機を織るようにつなげていきたい
日々のこと、本のこと、
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